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大奥第4話感想

 

 

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NHKで放送中の『大奥』第4話は赤面疱瘡の流行とともに徐々に変質していく社会と、その変化に抗い続ける春日局(斉藤由貴)の対比が描かれていました。家光との間に子供をもうけることができなかった有功(福士蒼汰)の変化についても振り返ります。

 

放送日・あらすじ

放送日

2023年1月31日(火)22:00~NHKで放送

あらすじ

 

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大奥 - NHK

 

 

感想

子供ができない

有功(福士蒼汰)と家光は1年間子作りに励みましたが、結局子はできず、春日局(斉藤由貴)はお楽の方を新たな相手として迎えます。
跡取りをもうけるようにプレッシャーをかけられる展開は大奥ではよくあることですが、男女が入れ替わると不思議な感じもします。
家光のためにお経を唱えることしかできない有功の無力さが痛々しいです。
お楽の方は子供を作ることに成功します。
史実からするとこの子が4代将軍家綱にあたるようですが、この作品の中では女の子なので、この時点ではまだ跡取りというわけではないのですね。

お夏

お楽の方が不慮の事故で寝たきりになったことで春日局は新たにお夏を迎え入れます。彼との間の子は徳川綱重でその子供が6代将軍家宣のようです。

お夏については割愛されていて心中穏やかでない有功の様子が中心でしたね。

己の道を歩み始める二人

家光は市中を見学します。
ずっと大奥の中ばかり描いていたので市中の様子は久しぶりです。
遺体を焼く煙が至る所で上がり、町では女たちが男に代わって労働力として活躍し、男は種付け料に8両も請求しています。
このままでは人口はますます減っていく一方であることが予期されています。

1両の価値は10万円程度のようです。

家光は政治への関心を持ち始め炊き出しを提案します。
「一揆の機運をくじく」という理由を述べていますが、その裏には上に立つものとして民を助けなければならないという覚悟と責任感が感じられますね。

一方の有功は寝たきりになったお楽の方の世話に自分の存在意義や生きがいを感じているようです。

取り残されるもの

今回最も重要な人物は春日局です。
時代が変化し後継者を男子に限っていては家が断絶してしまうという現実に一人抗います。
彼女は戦国時代の生き残りとして戦うことを仕事とする武士が女性になったら世の中が不安定になるのではないかと危惧しているんです。
まぁわからなくもないというか、実際平和な世の中になって武士たちは軍人から役人に性質が変化して存在意義を失ったことで『葉隠』なんて書物が書かれていますからね。

春日局倒れる

春日局が倒れてしまいます。
ここで家光が結構心配するんですが、ちょっと違和感がありました。
歴史上の家光にとっては春日局は幼いころから慕った乳母ですけど、このドラマの中の家光にとっては憎悪の対象でしかないからです。
まぁ人間そんな単純なものでもないし、恩讐の彼方に家光が成長したということにしておきます。

有功は赤面疱瘡が大奥に入り込んだことを理由に春日局の世話をかって出ます。
プライドの高い春日局を慮っての「私は嫌がらせをしているだけです」というセリフはおしゃれですね。
大奥での過酷な暮らしを通して有功は仏教者としての悟りを得たのかもしれません。
考えてみれば家光編はかなり仏教的なお話でした。

ここで春日局の壮絶な人生とそれゆえの徳川家への恩義が語られます。
この春日局像は大奥では定番なのですが、そのあとに「徳川を守ろうとしていたら国自体が滅びそうになっていた」と付け加えられているのがこの作品のオリジナルな部分です。たしかにこのままだと人口は減る一方です。
でも少なくとも吉宗の時代までは続いているということは何か解決策があったのでしょうか?

 

さて、家光は正式に徳川家の家督を継いだことを宣言し、女性の家督も許可します。
列席する大名たちの中にも男性に扮した女性の顔がちらほら見えるのが面白いですね。
史実でも家光の時代は戦国時代から江戸時代への時代の転換点にあったようですが、このドラマではそれに加えて男性社会から女性社会への転換も起こっています。