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罠の戦争第10話~王道展開

 

 

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放送日・あらすじ

放送日

2023年3月20日(月)22:00~フジテレビ系列で放送

あらすじ

www.ktv.jp

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相関図 | 罠の戦争 | 関西テレビ放送 カンテレ (ktv.jp)

感想

前回の続き

前回鶴巻元幹事長と虻川の連合が鷲津つぶしに動き出しましたが案外簡単に片付きました。

鶴巻の弱点となるネタは九州の新空港における資金集めのスキームだったようです。

このスキームが超リアルで”安全運搬協議会”というもっともらしい名前がついているのですが、まったく存在意義がなく、ダンプカー一台につき2万円を徴収するという集金装置になっているんです。

実際にありそうなほどリアルなんですけど、モデルになった事件や組織があるんですかね?

鷲津の敗北

鷲津は大ネタをつかみ総理に取引を持ち掛けますが失敗します。

ここにも政治のリアルが詰まっていました。

鶴巻の弱点を握ったことですでに総理のほうが力関係では上に立ちました。

そうすれば、秩序を保つ力のある鶴巻を温存していく方が総理にとっては得です。

鶴巻としても政治家を引退することになっても、息子に地盤を継がせられるし、政界に影響力は残り院政を敷くことができるから悪い話ではないんです。

鷲津とは見ているタイムスパンが違います。

常に上を目指し続けなけばいけない自転車操業状態の鷲津と、既に上に立っている総理や鶴巻との決定的な差ですね。

鶴巻の言葉

退場する鶴巻から鷲津に向かって一種の正論が語られます。

悪役にこういうことを語らせるのは王道とはいえ、この国の現状について核心を突いていました。

結局のところ世の中なんてそんな簡単に良くならないので、本気で社会を変えようと思うと長期的な取り組みが必要です。

しかし、民主主義社会では短期的な成果がないと不満がたまるため、トップを挿げ替えることでガス抜きをしてやらなければならない。

ある意味国民も問題の解決には関心がないんだってことを鶴巻は見抜いていたんですね。

そういう鶴巻の考えで維持された秩序とは既得権益とも言い換えることができますし、永田町の論理として女性などの新規参入者を阻んできたんです。

この鶴巻という人物には、複数の政治家がモデルにされていると思います。二階氏、小沢氏、森氏あたりでしょうか?

鶴巻は未来の鷲津でもありました。「いくつかの善を重ねるうちに、いつか悪と呼ばれるようになる。」というセリフには権力に魅了され囚われるメカニズムの一端が垣間見えますね。

鶴巻にも政治に希望を抱いていた時期があったのかもしれません。

まさしく鷲津が今進もうとしている「上へ、上へ」という道は破滅につながっています。

疑心暗鬼

総理に裏切られ、念願のポストを鷹野にかすめ取られた鷲津は疑心暗鬼に陥り孤独を深めていきます。

自分でもおかしいと思っていてももう止まれない、切羽詰まった感じを草彅さんが好演しています。

息子から「格好悪いよ、今のお父さん」といわれてしまいましたね。

息子を突き落した犯人を捜すため進んだはずの政治の道で息子から失望された鷲津はこれからどうなっていくのでしょう。

竹の花

怪文書の犯人が見つかりました。

蛯沢は鷲津が兄の陳情を無視したことを知ったうえでそれでも鷲津に期待していたようです。

それが裏切られて鷲津を赦さないと決めたみたいです。

ただ、陳情を聞くっていうのは本来経営難に陥った人を救うためにやることじゃないんですよ。そんなことをしていたら鶴巻も言っていたようにいずれ悪になってしまうし、現に鷲津はなりかけています。

この辺りはどうやって交通整理するのか最終回に期待したいです。

妻の可南子はシェルターに駆け込んだ女性たちに親身になって話を聞いていました。

鷲津に対しても「議員として何かをしてほしかったわけじゃない。家族として話を聞いてほしかっただけ」と言ってました。

このあたりがヒントになるのかな?

www.fnn.jp

www.yomiuri.co.jp

まとめ

とにかくリアルな政治描写は素晴らしかったですね。

鶴巻と鷲津の会話が可南子と鷹野の会話にリンクしているなど、演出が直線的でないところも面白かったです。

破滅して終わるのか、希望を残して終わるのか最終回が楽しみです。

でも、他のドラマが終わっていく中、一週間関心を持ち続けるのって難しいなぁ。