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TOKYO MER 第1話~これはおかしくないか?

 

 

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放送日・あらすじ

放送日

2021年7月4日(日)21:00~TBS系列で放送

あらすじ

www.tbs.co.jp

配信状況はこちらを参考にしてください↓
TOKYO MER~隅田川ミッション~ - ドラマ情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarksドラマ

相関図はコチラ↓
相関図|TBSテレビ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』

 

 

感想

男性目線

どことなく男性目線で作られたドラマな気がしました。

東京都知事を演じた石田ゆり子さんの描写であるとか、厚生労働大臣にも男性の目線をどことなく感じます。

”どことなく”なんです。私の考えすぎかもしれません。でも20年前の描き方なような気がするんです。

それにベトナム人役の人に無理矢理片言の日本語を話させていますが、いい加減日本のドラマはこういう演出からは卒業したほうが良いんじゃないかな?

バス横転事故

最初の出動としてバスの横転事故にチームが対応します。

視聴者に対するデモンストレーションでもあるのですが、おそらく医療やレスキューの監修が入っていて、「もしMERが存在するとすればどんなことが可能で、どんな組織と衝突するのか」がよく考えられています。

MERなんて組織は存在しないので一歩間違えば荒唐無稽になってしまうのですが、リアルで実在感がありました。

特に鈴木亮平さんの演技は素晴らしく、実在感のほとんどは鈴木亮平さんの演技によるものだと思います。

そこがまず問題で、この第1話はMERの有用性ではなく、スーパードクター喜多見の話になってしまっているんです。

死者ゼロ

このドラマでは死者を出さないことが目標となっています。

『ドクターX』の「私、失敗しないので」的なわかりやすさを求めた結果でしょう。

でも本来のこの組織の目標として死者を極限まで減らすことはあり得てもゼロにするとはならないのではないでしょうか。

なぜならトリアージとは医療資源を効率的に分配し最大限の命を救おうという試みであって、助からない命はあきらめるシビアな面があるからです。

トリアージ 東京都福祉保健局 (tokyo.lg.jp)

喜多見の行為がここからはみ出すのはいいのですが、組織自体の目標にしてしまうのは違う気がします。

命の価値

居眠り運転で事故が起きた場合、加害者の治療は後回しにするべきではないか?という議論が登場します。

多分研修医であろうと医師である以上、医療に関する倫理感は養成されていると思うんです。

そういう人たちが今更こんな命題に悩むのか?ということが疑問です。

音羽はMERをつぶすためになんでも使うっていう立場なので良いとして、弦巻の態度はおかしいんじゃないかな?

「どの命が重要なんて僕たちに決める権利はない」という喜多見の指摘で決着はついていますし。

百歩譲ってそれはいいとして、あとでトラックドライバーに過失はなかったことが後になって判明するんです。ここが問題です。

これって、加害者なら見殺しにしてよかったって暗に言っているに等しいんじゃないですか?

ガス爆発

2つ目の事故としてガス爆発による崩落事故が登場します。

ここが変なことのオンパレードで、まず喜多見は事故を予見して先回りするのですが、事故に巻き込まれてしまいます。そして偶然助かります。

現場に病床を設置したのは駒場であって喜多見ではないんです。駒場さんは謙遜していましたがどう見ても駒場の手柄でしょう。

自己を予見していたのなら病床の設置を喜多見が要請しておくべきでした。

2度目の爆発が起こり、レスキュー隊員が巻き込まれてしまいます。

二次災害の危険があるためレスキュー隊員が捜索をあきらめる中、なぜか喜多見は軽装備で突入します。

無謀に見えて実は勝算があるとかなら良いのですが、案の定ガスを吸い込み、死にかけ、爆発にも巻き込まれてしまいました。

彼が助かった理由は気合いとしか言いようがありません。

何が問題か?

劇中で指摘されるMERの問題点の一番大きなものは医師が現場に出向いて危険を冒すデメリットがメリットを上回るという点です。

これに反論するとすれば

  1. 医師が現場の情報に接し適切にトリアージ等の処置をすることで円滑な救助が行える
  2. 搬送していては助からない命を助けることができる
  3. 他の機関と連携するなど、やり方によっては危険を最小限に抑えることもできる

ってことかなって思うのですが、それを示そうにも

喜多見には現場監督としての役割がありながら先頭に立つし、そもそも彼には権限が与えられていなくて、ほかの団体が彼の指示に従っているのは、なんとなく声が大きいからにすぎません。機能するはずがないんです。

だから最低でも気合ではなく理屈でレスキュー隊を上回らなければならないし、それができないのなら単騎で特攻するのはやめた方がいいかも。

まとめ

現場主義というか、「権威である医師が象牙の塔にとどまらず、現場で汗をかこう」というストーリーは日曜9時という枠の特性かもしれませんね。

でも救命医の方たちを安全地帯でふんぞり返っている人たちなんて思ったことはないし、むしろ今でも十分尊敬の対象です。

それにレスキュー隊や救急隊の方たちも医療行為はできなくてもその道のプロフェッショナルであることに変わりはないし、彼らだって尊敬を集める人たちのはずです。

無理矢理「人民の中へ」的な型に押し込めることで変になってる感じがしました。